北接道について解説した前回に引き続き、 土地探し について、周辺環境の観点から考察します。
よく言われるのは学校までの距離
土地選びの条件としてよく言われるのは小学校・中学校までの距離です。
draが紹介された北接道・60坪・安い土地は小学校まで2.2km、中学校まで1kmでした。
小学校まで 近いほうがいい vs 遠いほうがいい
インターネットで検索すると様々の声があります。
「近いほうが時間が無駄にならない」
「遠いほうが足腰が鍛えられる」
「近いと友達と話しながら帰れない」
「遠いと一人で帰ることになって危ない」
などなど。
さて結局のところどうでしょうか。
draの実家のことを思い出してみました。
距離は1km、高低差100m(家が高い)という位置関係です。
この場合、勾配としては10%、角度としては約5.7°です。
角度5.7°と聞くと大したことないような気もしますが、実際に歩いてみると結構な急坂です。
国の道路構造令だと、最大12%と規定されているのでそれに近い斜度となります。
ノンターボの軽自動車でエアコンをつけているとかなりエンジンの回転数が上がります。(それでも速度は上がりません。)
真夏や真冬は「地獄」でした。
特に真夏は汗だくのビショビショになって家にたどり着くというイメージです。
近年はもっと気温も上がっているので、もっと辛いですね。
まぁ坂の話は置いといて、平坦な道でも2kmを子供の体で重い荷物を持たせて真夏や真冬に歩かせるのはあまりにも「酷」だとdraは考えました。
「そんなんじゃ軟弱な子供になる」という意見もあるかもしれませんが、登下校で鍛えなくてもいいという考えです。
ここからは長距離推奨派に対してdraの個人的な意見として戦います。
- 鍛えるのは登下校じゃなくてもいい
- 家に帰ったら暗くなって友達と遊べない、なんてかわいそう
- 事故とか不審者とか心配
- 最近の子供は習い事も多いので登下校で時間を割くのはもったいない
- 真夏の暑さ、大雨、台風、大雪でも歩かせるのはかわいそう
- 最近はランドセルも重い(教科書なんて学校置いといていいだろ)
- 登下校が嫌で学校が嫌になるのはかわいそう
- 大人でも2kmは結構つらい、ましてや荷物もって暑い・寒い・雨・風とか最悪。
- 親のお前がそれを毎日できるのか!?
- 「私が子供のころはそのくらい平気で歩いていた」→知るかバーカ
draは近代派の軟弱者なので偏った意見ではあります(笑)
とにかく、登下校に何か問題を抱えながら6年間暮らすのは「無駄」という考え方です。そこに余分な労力を割くくらいならもっと有意義に使ってほしいです。
小学校までの理想の距離は?
「通学時間・手段が子供の健康に及ぼす影響について(平成4年)」の論文によると、
徒歩での通学時間が長い児童ほど
- 偏食
- 朝食の欠食
- テレビゲーム所有
が低くなり、脚部の筋持久力が高いとのこと。
30年前の調査ですし、テレビゲーム所有はあまり関係ないような気もしますが・・・。
そして「通学時間・手段が子供の健康に及ぼす影響について(平成5年)」の論文によると
通学時間が長い児童ほど、睡眠時間や遊び時間は短い一方で、家庭が楽しいと答える率が高くなるとのこと。
ただし、通学時間が60分を超えると不定愁訴が増えるという結果も出ています。不思議ですね。
一方で、親からの意見では概ね1km以内が理想、遠くても1.3km程度という意見が多いようです。
時間にすると20分以内、長くても30分程度、ということになります。
通学路の車通りの多さや治安なども関係しての意見です。
健康や安全面を考えると1km前後がちょうどいいですね。
周辺施設までの距離
利便性を表現するためによく使われるのは公園・スーパー・コンビニ・病院等の周辺施設までの距離です。
公園が近くにあることで、自宅の庭が小さくても公園で遊べるからいい、という考え方もできるようになります。
また、スーパーも同様で、週末に1週間分の買い物を大きなスーパーで、足りないものを近所の小さなスーパーで、ということもできます。
歳を取ってから車で遠くのスーパーまで買いに行くのは大変、小さくてもいいから近所にスーパーがあると将来安心、という考え方もできます。
しかし、それらの周辺施設と近いことが、本当にその土地の価値になるのでしょうか。そして、あなたにとって価値になるのでしょうか。
子供はいつまで子供か
今、お子さんは何歳でしょうか。
これからも子供が増える予定はあるでしょうか。
子供が何年間、公園で遊ぶでしょうか。
「まだこれから第一子が生まれて、その下の子も・・・」というのであれば10年・15年程度は公園が近いことによるメリットを得られますが、「一番下の子が小学校上がったばかり」という家庭の場合だとあまり公園が近いことのメリットが得られないかもしれないです。
いつまでその施設が存在するか
徒歩で行けるところにスーパーや病院・薬局がある、というのも大きなメリットです。しかし、自分が歳を取った30年後にもそのスーパーや薬局はあるのでしょうか。
大きな病院や繁盛しているコンビニであれば残り続ける可能性は高いですが、個人経営のお店などは無くなっている可能性が高いです。
30年後にどんな世の中になっているか、それはだれにもわかりません。
車の自動運転が当たり前になっていて、遠くのスーパーでも苦にならないかもしれません。
もしかしたら店舗に買い物に行く、という概念がない世界になっている可能性もあります。
60年間その家に住むと考えた場合、直近の10年程度のメリットだけを見るのではなく、その後の50年も含めて考える、つまり長期的に見てその土地でいいのかという考え方もしたほうが良いです。
逆に言うと、今は利便性が低い土地でも30年経てば一等地になっている可能性もあります。
間取りも同じ考え方ができる
よく、「子育て世代に最適な間取り!」「子供がのびのびできる間取り!」などの広告を見ます。
子供が子供でいる期間はどのくらいでしょうか。
その家に60年間住むことを考えた場合、子育てだけを重視するのではなく、子供が出ていったあと、夫婦二人で済むことも考えた間取りを考える必要があります。
お金に糸目をつけないのであれば、20年は子育てに重視した間取りで、子供が成人して家を出ていったら平屋に住み替える、というのが理想です。
しかし、draのような普通のサラリーマンじゃそんなの不可能です。
子育てと夫婦での生活の両方を満足できる家にしたいですが、なかなか難しい問題でもありますね。
海・山・川との距離
次にdraが考えたのは災害時にどうなるか。
draの住む地域は比較的雨も少なく、台風の被害も少ないです。
しかし近年、大雨による洪水災害も発生するようになってきました。
事前の調べで近くに大きな断層があることはわかっていました。
しかし、地震については大幅に住む場所を変えない限りあまり効果はありません。
なので今回はセキスイハイムの耐震性を信じて地震への備えとします(テキトー(笑))。
ある程度地域が決まったうえでの住む場所を決めるにあたって気にすべきは海や川、山(崖)との距離です。
draが紹介された北接道の土地を実際に見に行った時、小さな川(というよりは用水路といってもいいくらい)が近くにありました。見に行った時もそれなりの水量があり、子供が流されないかとか、氾濫しないかとかを話していました。しかしセキスイハイムの営業は「過去の氾濫の記録を見たが、そういった記録はなく気にするほどではない」と言っていました。
しかし、自治体の出しているハザードマップを見てみると「100年に1度程度起こる大雨の場合で0.5m未満の浸水想定」の地域でした。
この程度であれば気にするほどではないのですが、なんとなく気になっていました。
逆に、二つ目に紹介された南接道の土地ですと、「1000年に1度程度起こる大雨の場合でも浸水なし」の地域です。
また、それ以外に狙っていた今後分譲地になりそうな土地の場合、土石流の危険性があることもわかりました。
ハザードマップだけを見て南接道の土地を決めたわけではないですが、土地を決めてから数か月経ったころに発生した大雨で、北接道の土地の近くにあった川の水位が危険水位まで上がっていたのをみて、「ここにしなくてよかった」と思うことがありました。
また、新しく分譲地になりそうな土地は大雨の際に避難指示が出されたりもしている土地だったため辞めて正解だったとも言えます。
このように、ハザードマップを見て土地を決めるというのも、非常に重要なことだと考えます。
どんなにいい家でも災害には勝てない可能性があります。
また、今後さらに災害が増えていくことも考慮して土地探しをする必要があります。
ハザードマップは各自治体が公表しているのでぜひ参考にしてみてください。
まとめ
さて、今回は周辺環境から考えた土地探しについて書きました。
不安になりそうなことや悩むことばかり書いていますが、重要なことは、「その土地について家族全員が納得して購入すること」です。
dra家では土地に対する考え方で大いに揉めました。
小学校との距離に関しては夫婦で意見が一致しましたが、それ以外の周辺環境について、特にコンビニやスーパー、街までの距離については意見が合わず、土地探しは難航しました。
ですが、結局は妻の意見を尊重し、子供のことや将来的に廃れにくそうな土地、災害への耐性ということも含めて決めています(悪い土地ではないのですが金額は・・・)。
土地を探すにあたって、事前に家族とよく話し合って、譲れないところ、譲歩できるところを決めておくとスムーズにいくと思います。
- 学校との距離
- 周辺施設との距離
- 実家との距離
- 街までの距離
- 災害への耐性
- (隣家との距離)
そして「高い利便性」という不動産業者やハウスメーカーの言葉を鵜呑みにせず、自分にとっての良い土地を探すことが重要です。
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