ソーラーパネル の容量は10kW以上になると産業用として扱われます。それ未満の場合、住宅用と何が違うのでしょうか。
kWという単位について
まずソーラーパネルの容量の単位、「kW(キロワット)」について解説します。
kWの「k」は「キロ」です。〇〇kg(キログラム)や、〇〇km(キロメートル)のキロと同じで1000倍を示すものです。これは接頭辞と呼ばれ、他にはM(メガ、100万倍)、G(ギガ、10億倍)、m(ミリ、1000分の1)などが有名です。
「スマホのギガが足りない」というのも、キャリアと契約している3GBとか5GBなどのデータ通信量を使い切ってしまった際に言う言葉です。この場合、B(バイト)というデータ量の単位にGという接頭辞がついたもののことになります。つまり、3GBだと30億バイトということになります。
さてW(ワット)ですが、これは電力を表す単位です。1kWとは1000ワットということになります。1000ワットですと、ドライヤーとか最近は電子レンジでも1000ワットで急速に温めるようなものもありますね。
ソーラーの容量に当てはめるとそれがそのまま発電力になります。つまり、1kWのソーラーが効率100%で発電出来ている場合、発電した電気で1000Wのドライヤーが使えるということになります。ただ、実際には天気の影響や電気が通る経路でのロスがあるのでもっと低い電力となります。
ちなみに、電力量を示す単位でkWh(キロワットアワー、キロワット時)というものがあります。1kWhの場合、1000Wのドライヤーを1時間使える電力量となります。逆に1kWで発電出来ている状態が1時間継続し、すべて蓄電池に蓄電した場合は1kWhの電力量を蓄電することができます。
電力(kW)は蛇口から出る水の勢い。
電力量(kWh)は出た水の総量、と考えればイメージしやすいと思います。
一条の ソーラーパネル は10kWを超えていた
さて、本題に入ります。
一条工務店からの見積もりをもらった際のソーラーパネルの容量は12kWほどでした。
事前に調べていた情報によると10kWを超えると売電価格が変わることがわかっていました。
10kW未満 | 10kW以上50未満 | |
売電価格(2022年度) | 17円/kWh | 11円/kWh |
固定価格買取期間 | 10年 | 20年 |
また、10kW以上になると固定資産税もかかってくるとかこないとか・・・
総合的に考えれば多いほうがいいのかもしれませんが、イマイチわかりません。
dra「これ、ソーラーが10kWを超えちゃっているけど、10超えているとなんか産業用とかでいろいろ変わるんじゃなかったでしたっけ?」
一条営業「はい、ソーラーの容量は今回のプランだと12kW強です。」
一条営業「しかし、パワコンの容量は10kW未満となっていまして、それを超える電力は売電することができません。なので、10kW未満で住宅用として扱われます。」
dra「うーん?ならソーラーはいっぱい載っているけど、無駄になるということですか?」
一条営業「もしフルパワーで発電できて、すべて売電するとしたらそうなります。」
一条営業「しかし、実際には天気の影響とか自家消費する分もあるのでそうとも言えないです。」
一条営業「たくさん載せることのメリットとして、天気が少し悪かったり夕方になって発電量が減ったとしても、総発電量は多くすることができます。」
dra「あー・・・なんとなくわかりました!5割の発電効率だとした場合、10kWのソーラーだと5kWの発電ができるのに対し、12kWのソーラーだと6kW発電できるということですね?」
一条営業「そうです!その通りでございます。」
ということで、パワコンの容量によって電力会社の系統に接続される容量が決まり、住宅用か産業用かが決まるということです。なので、今回の場合は10kW未満となり、住宅用として扱われるので2022年度の売電価格は17円/kWh、固定価格買取期間は10年となるみたいです。
また、ソーラーをたくさん載せることによって、天気が悪い日でも発電量を増やすことができるようになります。
産業用とはなんなのか
結局、産業用とは何なのでしょうか。
簡単に言うと、冒頭でお話ししたこちらの表に集約されています。
10kW未満 | 10kW以上50未満 | |
売電価格(2022年度) | 17円/kWh | 11円/kWh |
固定価格買取期間 | 10年 | 20年 |
また、住宅用は余剰売電となっていて発電した電力をまず自分の家で消費し、余った分を電力会社に売電することになります。
逆に、産業用では余剰売電と全量売電を選択することができます。ただし、余剰発電を選択した場合、発電量の30%を自家消費しなければいけないという制限が付きます。
さらに固定資産税も変わってきます。
産業用は課税対象となり、住宅用でも屋根と一体型の場合は課税対象となります。
産業用 | 住宅用 | |
屋根と一体型のパネル | 課税 | 課税 |
屋根に設置するパネル | 課税 | 非課税 |
さて、どちらがお得かということを考えると、単純に売電価格を見ると産業用で20年間売電したほうが良いです。
ただし、1年間の売電金額が20万円を超えると確定申告が必要になりますし、産業用の場合はメンテナンスなどもきちんと行われているかのチェックなどもあるようです。また、パワコンも大容量のものになるのでその分、初期費用・メンテナンス費用が掛かります。
住宅の屋根につけるのなら
結局のところ、住宅の屋根につける程度のソーラーパネルであれば、頑張っても10kWをすこし超える程度ですので住宅でしたらパワコンを10kW未満にして住宅用として扱うのが良いと考えます。
買電価格が上がって売電価格は下がっている昨今では、「たくさん発電して儲ける」よりも「自家消費する分を発電する」つまり、買う電気を極力少なくするようにしたほうがお得になります。
もちろん、住宅の屋根ではなく遊休地を利用して大量にソーラーパネルを設置して売電、ということであれば、初期費用も抑えられますし、その限りではありません。
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